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アルロースの副作用・発がん性・危険性は?最新エビデンスでわかる安全性ガイド

 

「アルロースは本当に安全?」
「副作用や発がん性、危険性はないの?」

そんな不安に答えるために、本記事では公的機関や査読論文などのエビデンスをもとに、アルロースの安全性をやさしく整理します。

どの情報が確かな根拠に基づくのか、どの点がまだ研究途中なのかを明確にし、日常での使い方や摂取量の目安まで一気に分かる内容です。

結論を先に言えば、短〜中期の試験では大きな問題は報告されていませんが、長期データは検討中の部分もあります。

安心して使うためのポイントを、ていねいに解説していきます。

 

※本記事は医療・法規上の助言ではありません。個々の健康状態や治療中の方は、必ず医療専門職にご相談ください。

 

要点サマリー

  • 米FDAはアルロース(D-allulose/ D-psicose)を複数のGRAS(一般に安全と認められる)届出で受理。栄養成分表示では総糖・添加糖の計上対象から除外し、熱量は0.4kcal/gでの計上を認める方針(エンフォースメント・ディスクリション)を示しています。
  • 一方、EFSA(欧州食品安全機関)は2025年に「申請者からの追加データ不足」を理由に安全性を確立できないと結論。これは「危険」と断定したのではなく、長期毒性・発がん性を含むデータの空白を問題視した見解です。
  • 人で最も一般的な副作用は胃腸症状(膨満、腹痛、下痢)。非ランダム化試験で単回0.4g/kg体重、反復0.9g/kg体重/日が消化管耐容の目安と報告。
  • 動物試験では90日・12〜18か月の投与で重大毒性や発がん性のシグナルは認められず、遺伝毒性試験も陰性という総説・審査資料が複数あります。ただしヒトでの長期(数年〜十数年)発がんリスク評価は未確立です。
  • 48週間のランダム化比較試験(日本)では、5〜15g/日の長期摂取で臨床上の安全性に問題なしと報告(脂質・肝機能など)。

 

アルロースの基礎と制度:何が「安全」の根拠になるの?

アルロースは果物やメープルシロップなどに微量に存在する希少糖で、甘さは砂糖の約7割、体内ではほとんど代謝されず大半が尿中へ未変化で排泄されます。

米FDAは科学レビューの上、表示上の取り扱いとして「総糖・添加糖からの除外」「0.4kcal/g」を示しました(最終ルールではなく、当面の運用)。

この代謝・排泄プロファイル(吸収後24時間で血中から消失、48時間で約70%が未変化排泄)は、FDAの背景メモとヒト代謝研究にもとづきます。

 

ただし地域差もあります。

EUでは「ノベルフード」申請中の審査で、提出データの不足を理由に安全性を確立できないとの結論(2025年)で、販売可否や用途は米国と同様ではありません。

立場の違いは「危険」と断ずるものではなく、求めるデータの量と質が異なるという制度上の差です。

 

人で報告される副作用:主に“胃腸系”、用量依存的

ヒト試験では、膨満感・腹部不快感・下痢が主な有害事象です。

若年成人を含む非ランダム化試験では、単回0.4g/kg体重(例:体重60kgで24g)、反復0.9g/kg体重/日(60kgで54g/日)が耐容の上限目安として示されました。

症状は多くが一過性で、増量に伴い出現しやすくなります。

 

小児(6〜8歳)を対象にした急性・無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、試験設定範囲で重篤な症状は認めず、軽微〜中等度の胃腸症状が散見される程度でした。

小規模・短期である限界は明記されています。

 

48週間の成人RCT(5g/日・15g/日)では、脂質・肝機能・糖代謝指標に有害な変化は見られず、臨床検査上の安全性は概ね良好でした。

 

発がん性・遺伝毒性・長期毒性:何がわかっていて、何が未解明?

動物の90日反復毒性試験や12〜18か月の慢性投与試験では、3%混餌(おおむね1,280mg/kg体重/日相当)などの高用量域でも明確な有害所見は認められず遺伝毒性試験は陰性とするまとめが複数の公的・学術資料にあります。

LD50はラットで約16g/kgと報告。

 

さらに、生殖毒性・催奇形性についてもラットで高用量まで有害影響なしとする報告があり、GRAS資料にも引用されています。

ただし、これらは主に動物データであり、ヒトでの長期発がんリスクを直接否定し切るものではありません

 

この「ヒト長期データの不足」を背景に、EFSAは2025年のノベルフード審査で“安全性は確立できない”と結論づけました。

特に慢性毒性・発がん性を組み合わせた試験の不足など、申請データ側の空白が理由です。

これは危険だと断定したのではなく、データ不足で判断保留に近い立場です。

 

安全に使うための実践ガイド(人での耐容データにもとづく)

  • 少量から開始:まずは5〜10g/日程度から。症状がなければ数日ごとに少しずつ増やす。
  • 分割摂取:胃腸症状は一度に多量で起きやすい。複数回に分けると快適。
  • 耐容上限の目安:単回0.4g/kg体重、日量0.9g/kg体重上限の参考値であり、推奨量ではありません。日常はその範囲の1/2〜2/3で十分なことが多い。
  • 子ども・高齢者・妊娠/授乳:小児では短期安全性の示唆ありも、長期データは限定的。まずは極少量から、体調に留意。
  • 持病・服薬中:糖尿病・腎機能・消化器疾患などがある方は、主治医に相談のうえで。

 

よくある質問(Q&A)

 

Q1. 発がん性はありますか?

現時点で、動物の慢性投与・遺伝毒性試験では発がん性を示す一貫した証拠は示されていません

しかし、ヒトでの長期追跡データは不十分で、欧州では安全性確立に十分なデータが申請側から提出されていないとして判断保留の立場です。

 

Q2. 1日の安全な摂取量は?

公式の「耐容上限(ADI)」は定められていません。

ヒトの耐容試験では単回0.4g/kg・日量0.9g/kgが便性状などを指標にした上限目安として示されました。

日常利用では少量から分割が基本です。

 

Q3. 栄養成分表示で“糖ゼロ”扱いになるの?

米国ではFDAが総糖・添加糖に含めない運用0.4kcal/gでの熱量計上を認めるガイダンスを公表しています(最終規則ではなく行政裁量)。

この前提は米国内のルールであり、他地域とは異なる点に注意。

 

Q4. 長期摂取の人試験はありますか?

48週間のランダム化比較試験では、5g/日・15g/日いずれでも臨床検査値の安全性に大きな問題は報告されていません

とはいえ、がん発生やまれな有害事象を評価する規模・期間ではない点は理解が必要です。

 

各機関の評価(2025年時点)

地域/機関位置づけポイント
米国(FDA)複数のGRAS通知を「質問なし」で受理。
栄養表示上は総糖・添加糖から除外、熱量0.4kcal/gを容認。
代謝・齲蝕・熱量・血糖等の総合レビューに基づく運用。
EU(EFSA)ノベルフード審査で「安全性を確立できない」結論(2025)提出データ不足(特に慢性毒性・発がん性等のギャップ)が理由。
豪州/ニュージーランド(FSANZ)審査資料では遺伝毒性陰性、発がん性の所見なしと整理ノベルフード申請文書のサマリー参照。

 

主要エビデンス(抜粋)

  • 耐容性(成人):単回0.4g/kg、日量0.9g/kgでGI症状を指標に上限設定(非ランダム化)。
  • 耐容性(小児):急性・無作為化クロスオーバーで良好な短期耐容性、重篤事象なし。
  • 長期RCT(48週):5〜15g/日、脂質・肝機能・安全性に大きな問題なし。
  • 慢性毒性・発がん性(動物):90日・12〜18か月で重大毒性なく遺伝毒性陰性。
  • 代謝と表示(FDA):0.4kcal/g、総糖・添加糖の除外運用。

 

参考文献・公的資料

  1. FDA. Guidance for Industry: The Declaration of Allulose and Calories from Allulose on Nutrition and Supplement Facts Labels.(0.4kcal/g、糖計上除外の運用)
  2. FDA GRAS Notices(GRN 400, 498, 693, 828, 1024, 1029 ほか)— 毒性・遺伝毒性・慢性投与データの要約。
  3. EFSA. Safety of D-allulose as a novel food. EFSA Journal, 2025 — 申請データ不足により安全性を確立できないとの結論。
  4. Han et al. Gastrointestinal Tolerance of D-Allulose in Healthy and Young Adults. Nutrients, 2018 — GI耐容の上限(0.4/0.9g/kg)。
  5. Risso et al. Gastrointestinal tolerance of D-allulose in children. Food & Function, 2024 — 小児の短期耐容。
  6. Tanaka et al. Safety and efficacy of a 48-week long-term ingestion of D-allulose. Fundamental Toxicological Sciences, 2020 — 48週RCT。
  7. Matsuo et al., Yagi et al. — 90日・12〜18か月の動物毒性(重大所見なし)。
  8. FSANZ Application A1247 D-allulose as a novel food — 遺伝毒性陰性・発がん性所見なし等の整理資料。
  9. Tsukamoto et al. Intestinal absorption / urinary elimination of D-psicose. — 排泄プロファイル。
  10. Cleveland Clinic. What Is Allulose?(一般向け安全性解説、地域差の説明)。

 

結論:現時点の安全性評価をどう受け止めるか

アルロースは、米国などで幅広く使用可能な低カロリー甘味料として位置づけられ、ヒトの短中期試験や数多くの動物試験からは大きな安全性上の懸念は示されていません

一方で、EFSAは長期毒性・発がん性を含むデータの不足を理由に「安全性確立は不可」としたばかりです。

実務上は、少量から分割摂取し、胃腸症状をみながら自分の許容量を見極めるという使い方が妥当です。

今後、ヒトでの長期・大規模データが蓄積されれば、国・地域間の評価は収れんしていく可能性があります。

 

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